スマートフォンのレンズで星のスペクトルを撮る

投稿者:ASHI58
 
  星からの光(電磁波)は、星の成分や動き、惑星の存在などを知る唯一の手段(重力波を除く)です。特に、私たちが使える光は可視光領域なので、分光器が必要になります。

 分光器は回折格子を使って、光をスペクトル(光の帯)に分けます。これには、透明なフィルムやガラスに一定の細かい間隔(格子定数)で傷をつけた透過型のものや、ガラスや金属、シリコン基板等の表面に一定の間隔で溝を付け、金属を蒸着した反射型のものが使われます。

 私たちが入手しやすく、使いやすいものは透過型です。市販されているものには、一眼レフカメラのレンズに着けるガラス製の回折格子が、五藤テレスコープ社から、解析ソフトと共に「STARANALYSER100」として販売され、RSPECというスペクトル解析装置が付属しています。


 ベガのスペクトル | 鳥取天文協会 Tottori Society of Astronomy

 

 今回はAli-Expressで入手できる1,000円前後の1/100mm格子定数のフィルムを使ってみました。撮影してみて、1/300mmにして、スペクトルを3倍の長さにした方が解析しやすいのではないかと思い、注文しているところです。

 iPhone17eのカメラの前に置いた様子です。実際の撮影では回折格子をiPhoneに貼り付け、三脚で動かないようにします。


 Google Pixelだと撮影時間を4分まで稼げるので、明るい鮮明なスペクトルが得られると思います。撮影している間、星は移動するので、回折格子の角度を調整すると、長方形の幅の太いスペクトルが得られます。

 次の図はベガを撮影したものです。



 これをImageJというフリーの解析ソフトで分析します。downloadしなくても、Web上で使う機能もあります。 ImageJ

 ImageJ.JS で以下の画面になります。


 File-New-Image で撮影した写真を表示し、メニューの左端の長方形を選択し、次の図のように撮影したスペクトルを囲みます。Analyze-Plot Profileを選択すると、スペクトルのピークが得られます。

 左はSTARANALYSER100で処理したものを参考に載せています。色の成分や、吸収スペクトルの位置等で星の型や成分、ドップラー効果による地球に対する相対速度等が求まります。
 次回、1/300mmの回折格子で、より実用的なものになるか検証します。

 さて、天文学者・アマチュア観測者が測光や時系列解析に使う、ImageJベースの天体解析ソフトAstroImageJ(AIJ)が作られています。
 用途は変光星観測、系外惑星トランジット、小惑星・彗星の測光、CCD/CMOS のキャリブレーション解析で、光度曲線(Light Curve)の作成、差分測光(Differential Photometry)、FITSヘッダーの読み込み、トランジット解析(系外惑星観測で使用)、スタック、アライメント、統計解析などができます。
 

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