Seestar S30の赤道儀モードを使ってみました

Seestarに赤道儀モードが搭載されましたね。ZWO社の製品はファームウェアが更新されるとアプリ起動の際に常に最新の状態で使用できるので世話がないです。S30をアップデート後、どんなスタイルで使おうかと数日思案し、一昨日(4月4日)試してみました。

最初、ケンコーの微動雲台(製品情報はこちら)を55°くらいに傾けて左下の写真のように載せてみると何とも不安定そうだったので、本体の反対側にバランスウェイトをつけてみました。これでもいいかなと思いましたが、あまりスマートでなくスマート望遠鏡と呼べなくなるのでやめました。

そこで、ずっと出番がなく持て余していたマンフロットのL字ブラケット(製品情報はこちら)を活用することを思い付きました。金具の長さと本体との間隔にもよりますが(左下の写真・矢印)、L字形の金具を使用する場合には金具の強度もさることながら、本体がアームを開きながら右回転する際に金具と干渉するのを避ける工夫が必要です(試運転の時、危うくぶつかりそうになって中止させました💦)。



最終的には、右上の写真のようにアルカスイスクランプとプレート(いずれもK-ASTEC製)で本体とブラケットの間隔を確保しつつ赤経回転軸の嵩上げを行い、アームと金具の干渉を回避させました。三脚と微動雲台の間にはベルボンのレベラー(製品情報はこちら)を取り付け、水平出しと極軸調整がやり易くなるようにしました。このL字ブラケットには両軸にクイックシューが付属しているので、下の図のようにワンタッチで経緯台モードに変えられ、使用目的に合わせて使い分けるのに便利です。S50も十分コンパクトですが、赤道儀モードで使用するにはこのような装置では貧弱かもしれません。

使用時のSeestarの動作とiPadの操作画面を動画にしてみましたのでご覧ください(こちら)。撮影中に運わるく(運よく!?)付近を列車が通過し走行音のBGM付きです。余談ながら、自宅はJR線のすぐ横なので列車の通過時にかなりの振動が生じ、Seestarのライブスタック程度では影響はないものの、惑星のビデオ撮影時には画面が激しく上下していけません。

一昨日(4月4日)がファーストライトです。月と春の銀河をいくつか撮影してみました。試し撮り程度の10分〜20分程度の短時間のライブスタックです(AI Denoise適用)。しし座の三つ子銀河のみなぜかスタックエラーが頻発するので短時間で撮影を終了しました。赤道儀モードでは構図が統一されるので気持ちがいいです(北が上)。


今回のシステム構築にあたって、微動雲台以外は出番のなかったパーツの利活用です。「捨てなくてよかった…」と実感できたときは本当に幸せです。(月草亭)

コメント

このブログの人気の投稿

非冷却カメラをスマホクーラーで冷やすⅠ

ZWOのASIカメラをAndroidスマホでモニター

2024.5.3 コリメート撮影を楽しむ