Polar Scope Aline Pro を効果的に使う②

「Polar Scope Aline Pro を効果的に使う①」に続いて、見たままの宇宙をそのまま記録できるコリメート撮影の魅力をお伝えすべく、少し欲張ってみました。

昨夜(6月11日)、アダプターを介して望遠鏡の接眼レンズに取り付けたスマホで、M13の導入と撮影をやってみました。望遠鏡の光軸とスマホを平行に配置する必要からフリップミラーを使用し、PS Aline Pro とカメラアプリを切り替えながら導入と撮影を行います。

機材構成は以下のとおりです。
 鏡筒 タカハシ FS-60CB
 接眼レンズ セレストロン ズームアイピース8-24mm
 経緯台 サイトロン SJ-M
 カメラ iPhone 15 Pro
 アプリ Polar Scope Aline Pro(導入)、カメラ(撮影・iOS標準)
 その他 APEXEL 望遠鏡用カメラアダプター

カメラアダプターとアプリ以外は、6月5日(6月6日投稿分)と同じです。今回使用したアダプターは、スマホも接眼レンズもがっしりとグリップしてくれる満足のいく製品です。強力なバネで接眼レンズを挟み込むタイプなので、容易に着脱ができ、撮影と肉眼視を簡単に切り替えられるのも魅力です。iPhone 15 Pro はカメラ部分の出っ張りが大きいので、アダプターに標準添付されているハードウレタン素材のスペーサーが必須です。

スペーサーを貼ったスマホアダプター

iPhoneを取り付け、メインカメラに光軸を合わせる

Celestronズームアイピース8-24mmに装着

アイピースに載せた iPhone 15 Pro アプリは、PS Aline Pro(左)/カメラ(右)

まずは、ウォーミングアップ。PS Aline Proでベガを直接導入し、ついでに少し北東にフレーミングして、ダブルダブルを入れました。ナイトモードだとこんな感じで写ります。わずかなブレを防ぐため、Apple Watchでレリーズしました。

ベガ(左)/ベガとダブルダブル(右) ナイトモード・5秒・メインカメラ30mm

いよいよ、M13を導入します。銀河や星団・星雲はとても淡く視認は困難なので、近くの恒星経由の間接導入が便利です。3つ表示された候補星からベガを選びました。

①データベースから M13 を表示させ、Push To → ② Hop From Star → ③ Vega の順にタップ

見つけやすいベガを経由することで、M13を導入しやすくなりました。カメラと PS Aline Pro を素早く切り替えながら導入と同期を行い、導入精度を高めていきます。もたもたしていると日周運動でどんどん星が動いていきます。

⑤ベガを望遠鏡の視野中央に導入後、Hop to Target → ⑥ confirm Hop
→ ⑦ M13 を望遠鏡の視野中央に導入後、Sync ToTarget の順にタップ

撮影するとこんな感じになります。わずか5秒でも、はっきり球状星団と分かります。微光星もたくさん写って楽しいです。

M13 ベガからホップした直後(左)/視野中央へ手動補正(右) ナイトモード・5秒・メインカメラ35mm

望遠鏡の接眼レンズ越しに届く宇宙の魅力は尽きることがなく、いつでも少年時代のときめきに浸ることができます。見たままの宇宙をそのまま記録できるコリメート撮影の魅力を再認識した一夜でした。

下の写真は、タカハシε-160ED(800mm・F5)と ZWO 294 MC Pro で撮影した M13 です。本気の撮影とちょい観のお手軽撮影をケース・バイ・ケースで使い分けながら星活を楽しみたいと思います。(月草亭)

M13(2024.5.14撮影) データはこちら

参考までに

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