Sirilによる画像処理(魔女の横顔星雲)
1月に撮影した魔女の横顔星雲を、Siril(Mac版 ver.1.4.2)とAffinity、Appleの写真アプリで再処理してみました。大まかな作業の流れは、次のようになります。
Siril(ダーク・フラット補正を含む前処理→スタック→背景除去とノイズ処理→逆畳み込み→軽いストレッチ)→Affinity(恒星・星雲分離→ストレッチ)→Apple写真アプリ(明るさ・コントラスト調整)
本稿では、Sirilでの処理を中心に概要を記してみます。(月草亭)
![]() |
| sirilでスタック→Siril・Affinityでストレッチ(今回) |
![]() |
| StellaImage 10でスタック→Affinityでストレッチ(2026.1.20) |
撮影データ
撮影日時 2026.1.18 18:45 〜 1.19 01:04 撮影地 自宅(八頭町郡家)
マウント AM5 レンズ APO Sonnar-T* 2/135(f2.8) カメラ ASI 294MC Pro(UV/IRカット使用)
導入・撮影 ASIAIR(Gain120、180秒×116枚・総露出時間5時間48分、ディザあり)
その他 180mm相当にトリミング
1.Mac版Sirilでは、デフォルトでユーザーフォルダ内のピクチャフォルダが作業ディレクトリに割り当てられています。ここに、あらかじめ「Lights」「Flats」「Darks」「Biases」(この通りの名前にしないと失敗します)フォルダを作っておき、スタックするファイルをコピーします。作業ディレクトリーは後で変更可能です。
![]() |
| ファイルをディレクトリにコピー |
2.「スクリプト」>「Sirilスクリプトファイル」>「OSC_Preprocessing.ssf」と進むと、ダーク・フラット補正を含む前処理からスタックまでの一括処理が始まります。116枚のLight画像(Flat・Dark・Bias画像は各10枚)のスタックまでに要した時間は、わずか2分ほどでした。
![]() |
| ダーク・フラット補正からスタックまで一括処理 |
3.スタックしたファイルは自動では開きません。「開く」をクリックし、スタックによってディレクトリ内に生成された「result_…….fit」を選びます。「process」「masters」はスタックの処理過程で自動生成されるフォルダです。
![]() |
| スタックしたファイルを開く |
4.開いた直後のファイルは真っ暗な状態です。このままだと作業に支障があるので、下の方にある「線形」を「自動イコライゼーション」に変更して明るくプレビューさせます。
![]() |
| 線形から自動イコライゼーションへ |
5.スタック直後の画像はやや緑がかっていることが多いので、必要に応じてグリーンノイズ除去をやっておきます。「画像処理」>「グリーンノイズを除く」と進み、開いた「減法混色グリーンノイズ低減」ウィンドウで「適用」をクリックします。
![]() |
| グリーンノイズ除去 |
6.Background Extraction(背景抽出)は、RS-AstroのGXT(Gradient X Terminator)に相当し、StellaImageのオートストレッチとセルフフラットの合わせ技のような機能です。
![]() |
| Background Extraction(背景抽出) |
7.ウェーブレット変換はノイズ処理で、RS-AstroのNXT(Noise X Terminator)に相当します。「画像処理」>「Filters」>「定常ウェーブレット変換」と進み、「タイプ」を「線形」、「実行」をクリック後「Nb of Layers」を「2」に設定、スライダーで調整して「適用」をクリックします。
![]() |
| ウェーブレット変換 |
8.逆畳み込み(デコンボリューション)は、RS-AstroのBXT(Blur X Terminator)に相当する機能で、星像をよりシャープにし,星雲などの微細構造をあぶり出すことができます。
「画像処理」>「Filters」>「逆畳み込み」と進み、開いたウインドウで「Generate PSF」をクリック。「PSF Preview」(星像)が表示されたら「適用」をクリックします。
9.本格的なストレッチはAffinityで行うので、Sirilでのストレッチは軽く行います。ストレッチの前に、プレビューを「自動イコライゼーション」から「線形」の暗い画面に戻しておく必要があります。
![]() |
| ストレッチの前に自動イコライゼーションから線形へ |
10.Arcsinh変換はレベル調整に相当します。「画像処理」>「Stretches」>「Arcsinh変換」と進み、「Stretch Factor」と「Black Point」を調整し「適用」をクリックします。
11.ヒストグラム変換は、トーンカーブ調整に相当します。「画像処理」>「Stretches」>「ヒストグラム変換」と進み、▲と△のスタイダーを動かして調整後「適用」をクリックします。
12.その他にもいろいろな機能があります。必要に応じて「彩度」を調整したりすることがありますが、今回はやっていません。
FITSと、この後Affinityで処理するためにTIFFでも保存しておきます。「保存」をクリックしてしまうと、スタック後に得られた「result_…….fit」ファイルが上書きされるので、その横にある↓をクリックし、リネーム保存しておくのが無難です。
![]() |
| ファイルを保存(FITS/TIFF) |
(補足)画像処理ではありませんが、Sirilでは画像を解析し天体名を表示(アノテーション)させることができます。
まず、「ツール」>「天体測量」>「アストロメトリー」と進み、開いたウィンドウの「画像パラメータ」に天体名(例「Rigel」)を入力して「🔍Find」、次いで「画像からメタデータを得る」をクリック、そして「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。
次に、「ツール」>「天体測量」>「Annotate」と進み、そのまま「適用」をクリックすれば、天体名がグリーンの文字で表示されます。
![]() |
| (補足)アストロメトリーで天体名を表示 |
Affinityでの作業は、恒星を分離して得られた星雲レイヤーと、恒星レイヤーを別々に処理して合成するいつもの手順です。RS-AstroのSXT、GXT、NXT、その他各種調整レイヤー、フィルターレイヤーを使います。
最終的にMac標準の写真アプリで明るさとコントラストを微調整して仕上げます。
ここまでのことが、すべてフリーアプリでできて素晴らしいと思います。敬意を表して少額ですが、Sirilに寄付をしました(寄付は任意です)。

















コメント
コメントを投稿