各種デジタルカメラの比較

 先日格安のEOS-R8の中古が出ていたので入手しました。
 EOS-R8はEOS6DやEOS-Rに続いて手頃なフルサイズとして今後天体改造カメラ用に注目されると思いますので、今回他のカメラと比較テストを行いました。


 今回の撮影の様子です。ISO12800,6400,3200と撮影して比較しました。



 ISO12800の比較です。
 上の2台が2000万画素で下が2400万画素です。
 ノイズリダクションの輝度ノイズ緩和はEOS-R6とR8のデフォルトに合わせてキヤノン機は10で統一しています。
 EOS6Dと比べてR6やR8は大分画質が向上しています。またα7Ⅲの画像はJPEGではノイズが極めて少ないですが、RAWでは新しいR8の方が画質が良いようです。またEOS-Rやソニーの新しいα7Ⅳの3000~3300万画素クラスでは大分ノイズが増えてISO12800では苦しくなるので、天体撮影用にはEOS-R6やR8が向いています。



 キヤノン機のノイズリダクションの輝度ノイズ緩和は8で統一しています。
 ISO6400になるとEOS6Dはまだノイズが気になりますが、EOS-R6やR8は余裕の高画質になります。



 キヤノン機のノイズリダクションの輝度ノイズ緩和は7で統一しています。
 EOS6Dで今までメインで使われてきたISO3200です。6Dではまだノイズが残りますが、EOS-R6やR8ではすでに過剰クオリティになっています。




 番外編としてASI6200MCやASI2600MCのソニーセンサーと同等のピクセルサイズのα7RⅣ 6100万画素のノイズの様子です。
 ASIカメラの場合はノイズリダクションを使わないのでノイズリダクションなしとありで比較しました。
 ノイズリダクションなしの場合はISO3200でもノイズが多いので、ASIカメラの場合はISO1600以下に相当するたっぷりの露光が必要のようです。
 またこのカメラの場合、右のノイズリダクションありの設定では細部の解像度が落ちて甘くなり、せっかくの高解像度が生かせなくなるので、このカメラを天体改造して使う場合はISO1600でノイズリダクションもなしか弱めで使うのが良さそうです。



 次にダークノイズの比較です。
 ISO3200 4分とISO12800 1分の画面中央部ピクセル等倍の様子です。気温は20℃です。



 新しいEOS-R8が一番ダークノイズが少なくて、ダーク補正がほぼ不要なレベルですごいです。
 EOS-R6の場合、ISO12800ではノイズがほとんどなく、今まで紹介した作例でもダーク補正したことがありません。
 EOS-R6をISO6400や3200に下げるとISO12800で出なかった明確な輝点ノイズが現れます。ISO12800以上になるとカメラ内で自動的にノイズ除去が行われているようです。




 番外編のα7RⅣのダークノイズです。ノイズは少なめのようです。


 最後に実際の使用感について紹介します。

 一番の違いは真っ暗な星空に向けた時のファインダーの明るさです。
 ミラーレス機自体は普通の1眼レフより通常明るめに見えますが、ソニーのフルサイズは特に明るく、望遠鏡の直焦でM31に向けると中心部の明るい部分が容易に分かりファインダーを覗きながら構図の調整ができます。それに対してEOS-R6はファインダー設定を一番明るくしてもとても暗く、M31がどこにあるのかさっぱり見えません。

 また光害のない場所でEF15mmF2.8魚眼で夏の天の川を撮ろうとR6のファインダーを覗いたところ、真っ暗で何も見えませんでした。α7Ⅲに替えるとファインダー像が4倍以上明るく、充分構図の調整ができます。EOS6Dの普通の1眼レフのファインダーでも何となく雰囲気で構図合わせが可能でしたので、この点はがっかりしました。
 ただしノーファインダーで合わせて出てきた天の川の画質はR6がピカイチで一番良かったです。

 体感的にはR6にF1.4広角レンズで見た明るさとソニーのカメラにF2.8の広角ズームで見た明るさが同等位に感じます。
 EOS-R6で星雲星団を撮影する場合、F2.8の望遠レンズではあまり支障がありませんが、750mmF6などの直焦撮影では支障が出る為、いつもソニーのカメラを導入やピント合わせのサポートに用意しています。ソニーのカメラで導入や構図の確認をした後、R6に付け替えてピントを再確認して撮影しているのが現状です。

 今回EOS-R8を入手して一番助かったのが、明らかに暗所でのファインダー像が明るくなっている点です。ソニーのカメラには及びませんが、それでもR8はR6と比べて大分明るく、明らかに2倍以上は明るくなっていてR6の一番の弱点が改善されているのがうれしかったです。
 来シーズンはR8を天体改造して使う予定です。また追ってレポートを紹介したいと思います。

松本 博久

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