サイエンスカフェ「宇宙産業から考える鳥取砂丘の未来とは」【報告】

 2023年9月2日(土)、鳥取砂丘フィールドハウスでおこなわれた、山陰海岸ジオパーク・サイエンスカフェ「宇宙産業から考える鳥取砂丘の未来とは」に参加しました(主催は公立鳥取環境大学で、裏で糸引くのはC先生・・・)。講師は今話題の「鳥取砂丘月面実証フィールド」を中核的に運営されている、株式会社amupalo(アミュラポ)の田中克明CEOです。

 現在、アメリカのスペースX社をはじめ、宇宙開発への民間企業の参入が盛んで、現在の市場規模40兆円が、2040年には100兆円、2050年には200兆円になるという成長産業であるといった説明がありました(200兆円は現在の自動車産業の規模だそうです)。

 日本でも今年春に民間初の月面着陸を目指したispaceなどの宇宙企業が育ってきていて、さらに世界的に月を目指すという動きが盛んになってきています。それは、月に数十億トンもの水がありそうだということが大いに刺激となっていて、それを使い、月で暮らす人の飲料水にすることはもちろん、電気分解することで、ロケットの燃料としても活用でき、地球軌道上のロケットへの補給や火星への中継地としての役割も期待されています。

 そして、7月から利用が始まった「鳥取砂丘月面実証フィールド」では、これからの月探査や基地建設に向け、様々はテストをおこなう場所として活用が期待されています。実際、2029年頃に月面を走る予定の月面探査車のタイヤのテストなどがおこなわれています。月面と鳥取砂丘では、いろいろな条件が異なりますが、鳥取砂丘が月面とどういう風に違っているかをきちんと調べることで、実験データを月面に応用するための取り組みなども現在、進められているそうです。


 いろいろな話を聞いた後、鳥取砂丘へ移動してARグラスをかけて月面開発体験もおこないました。アポロの月着陸船が目の前に降りてきたり、20年後の月面都市を探検したりと興味深い体験ができました。鳥取天文協会の会員も石谷会長をはじめ、計7人の参加があり、また中学生や高校生の参加もありました。若い人の参加はうれしい限りですね。
(撮影:石谷会長)


 これから鳥取砂丘月面実証フィールド「ルナテラス」がいろいろな開発に活用され、鳥取県の宇宙産業が育っていくとともに、星取県としての活躍がさらに広がっていくことを願いたいですね。(Ori)

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