カニ星雲(AffinityとStella Imageのコンポジット比較)、ついでにオリオン座周辺も

先週末(12月19日)、M1(カニ星雲)を撮影しました。不具合を起こしていたStella Image 10が復活したので、Affinityとコンポジット比較をしてみました。今回ご紹介するカニ星雲は、Affinityでコンポジットし、仕上げたものです。(月草亭) 

AffinityによるM1(カニ星雲)

撮影データ
 撮影日時 2025.12.19 21:45 〜 12.20 0:32  撮影地 自宅(八頭町郡家)
 マウント AM5  鏡筒 ε-160ED(エクステンダー使用・800mmF5)
 カメラ ZWO ASI 585MC Air(バーダープラネタリウム UHC-Lフィルター使用)
 導入・撮影 ASIAIR(総露出時間160分・600秒×16)  画像処理 Affinity

画面上部の恒星の写り方を見るとわかりやすいと思いますが、Affinityでコンポジットした場合は、原寸サイズを維持しています(2160×3840ピクセル)。一方、Stella Imegeの場合、周囲が若干トリミングされています(2089×3715ピクセル)。

画像サイズの比較(左・Affinity/右・Stella Image 10)

一応、両方のアプリで最終仕上げまで行ってみました。厄介だったのは、Stella Imageでコンポジット場合に発生する無数のノイズを、Affinityの傷除去ツールで一つ一つ消していく必要があったことです。星雲の強調処理に関しては、どちらでも不都合は感じませんでした。

Stella Image 10で発生した無数のノイズ

以下は、Affinithiによるコンポジットから仕上げまでの全処理過程です。傾斜かぶり軽減(Gradient X Terminator)では、背景の色も調整されます。Stella Imageのカブリ補正とオートストレッチを合わせたような機能です。


コンポジット直後(左)→傾斜かぶり軽減(右)

恒星を小さくする作業(Star Shrink)は、恒星と星雲を分離する前に行っておきます。

レベル補正(左)→恒星を小さく(右)

恒星分離(Star X Terminator)前後のレイヤーを〝差の絶対値〟でブレンドして恒星レイヤーを作ります。

恒星を除去した星雲レイヤー(左)→差の絶対値でブレンドした恒星レイヤー(右)

恒星レイヤーの色調を整える作業(フリンジ除去など)と星雲レイヤーの強調処理を行います。

調整後の恒星レイヤー(左)→調整後の星雲レイヤー(右)

調整後の恒星レイヤーと星雲レイヤーを〝追加〟でブレンド後、ノイズ軽減処理(Noise X Terminator)を施して出来上がりです。

恒星と星雲を追加でブレンド(左)→ノイズ軽減(右)

ついでに、前の夜(12月18日)に撮影したオリオン座周辺の星野の写真です。フルサイズ一眼レフカメラと58ミリレンズで撮りました。スターエンハンサーで輝星を強調してみました。いっかくじゅう座のクリスマスツリー星団・ばら星雲あたりからエリダヌス座の魔女の横顔星雲あたりまでをカバーしています。M42付近のみHDR合成しています。フルサイズ30枚×3種類のコンポジットには、1時間超を要しました。

オリオン座周辺の星野

撮影データ
 撮影日時 2025.12.18 22:23 〜 12.18 22:46  撮影地 自宅(八頭町郡家)
 マウント AM5  レンズ AF-S Nikkor 58mm f1.4/G(スターエンハンサー使用)
 カメラ Nikon D810A(ISO4000・f2、32秒・4秒・0.5秒×各30、総露出時間18分15秒
 導入・撮影 ASIAIR  画像処理 Affinity、Apple写真アプリ(ライト・精細度)


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