M13の簡単処理

 今回はM13の簡単処理の様子を紹介させていただきます。

松本 博久


 画像処理前のコンポジット画像です。
 α7Ⅲ改造 1050mmF7 ISO10000 露出30秒×258枚のRAW画像を16bitTIFFに現像し、コンポジットしました。
 今回検証として、ステライメージの基準点による手間をかけた全加算合成の画像とSequatorを使った簡単コンポジットの画像で最終処理まで行い比較しましたが、ほとんど差がなかったので今回はSequatorの簡単コンポジットから紹介します。



 星空画像に258枚の画像を指定します。ここで指定する画像は16bitTIFFの他にRAW画像、Jpeg画像などもOKです。
 月面で簡単撮影する場合はJpegも使っています。基準画像は自動的にファイル中央の画像が指定されます。
 ノイズ画像にダーク画像、ケラレ画像にフラット画像を指定し、出力のファイル名を記入します。
 合成方法は高ダイナミックレンジをオンにして、熱いノイズを取り除くをオンにします。熱いノイズは人工衛星などの軌跡も含まれますので、すっきりと消えてとても便利です。
 そして下の始めるをクリックすると高速で処理が始まります。今回258枚の位置合わせから加算平均コンポジットまで5分位で終了しました。
 258枚の画像は撮影途中で再ピント合わせをして微妙に写野が回転したりノータッチガイドによるズレがかなりありましたが、自動で問題なく高速コンポジットしてくれてとても楽でした。
 次にステライメージの処理に写ります。



 コンポジットした元画像を開き、レベル補正でハイライト部をつめて白飛びさせて微光星を出します。



 次に白飛びしたところが出るようにデジタル現像します。
 エッジを適度に調整すると星がシャープになります。



 次にシャープさを加えて周辺の微光星の輝きを増すためにマルチバンド・シャープを加えました。
 今回は比較的弱めの設定で、半径1、強さ5.5で処理しました。
 今まで紹介してきた月面の作例ではもう少し強めの処理をしていて、半径1.5 強さ10くらいの設定が多く、シーイングが悪い元画像の場合はさらに#2の所で半径2 強さ3位を追加して処理していました。
 マルチバンド・シャープは万能に使えるので活用されると良いと思います。



 そして最終画像です。今回はデジカメによる簡単ノータッチ撮影とお手軽処理による作例を紹介させていただきました。
 皆さんがお使いのZWOの冷却カメラだとノイズの少ないもっとハイレベルな作品が撮れると思いますので、私もこれからカメラの入手を考えてチャレンジしたいと思っています。 

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