望遠ズームによるお手軽星野撮影

 今回はキヤノン70-200mmズームを使ったお手軽星野撮影の作例を紹介します。

 私が使用しているレンズの中でEF400mmやEF300mmF2.8レンズの場合はドロップインフィルターが内蔵できるのでΦ48mmのフィルターが自由に使えますが、70~200mmの望遠域については77mmの大口径フィルターならレンズ前に装着できますが、Lエンハンス等のΦ48mm径フィルターの場合は85mmF1.4や70-200mmF2.8ズーム等で使うことができず、昨年までは小口径のサムヤン75mmF1.8やニコン135mmF2.8等にステップダウンリングを使ってΦ48mmフィルターを使ってきました。

 今回はその問題を解決するために光映舎のスライドフィルター式カメラマウントを入手しました。


 左がEF→EOS RF用でシグマ14-24mmF2.8HSMとEOS-R6改造カメラ、右が今回使用したEF→Sony E用でEF70-200mmF2.8LISⅡとα7Ⅲ改造カメラのセットです。

 内臓フィルターはM48とM52の2種類が使えます。広角ズーム使用の場合はフィルターの厚みで周辺像が悪くなる場合があるので、その場合は光映舎が用意している薄いスペーサーでフランジバックを微調整して使います。シグマ14-24mmとEOS-R6に2mm厚のフィルターを内蔵する場合、フィルターの厚みの1/3弱の0.6mm位のスペーサーでフランジバックをやや長くセットしています。望遠系レンズの場合はその辺はルーズで全く問題ありません。

 電気接点のないマウントなので、カメラで絞りやAFが操作できないので完全マニュアルとなり、レンズを外した状態で絞りが開放になっているシグマ14-24mm等はそのまま使えますが、今回使った70-200mmレンズの場合は、レンズを外すと絞り込まれた状態になり、そのままでは使えないので、裏技を使ってEOS-R6にEF→RFの純正のアダプターを接続して絞りF2.8で絞込みプレビューボタンを押しながら絞り開放の状態でレンズを外すとレンズは絞り開放で固定されるので、光映舎のマウントに付け替えて撮影しています。

 それでは以下に作例を紹介します。撮影地は雪で三朝高原に行けなかったので、倉吉市小鴨地区の道路脇市街地で撮影しています。
松本 博久


オリオン座の散光星雲

 2025.2.27 20:12~
 α7Ⅲ改造カメラ EF70-200mmF2.8LISⅡ
 130mmF2.8 ISO12800 露出1分30秒X26 露出合計39分
 Lエンハンスフィルター マークX赤道儀
 ズームだと中間域が使えてお手軽撮影に便利でした。 



コーン星雲・バラ星雲付近

 2025.2.28 20:56~
 α7Ⅲ改造カメラ EF70-200mmF2.8LISⅡ
 200mmF2.8 ISO12800 露出1分30秒X23 露出合計34.5分
 Lエンハンスフィルター マークX赤道儀



ぎょしゃ座の星雲・星団

 2025.2.28 20:20~
 α7Ⅲ改造カメラ EF70-200mmF2.8LISⅡ
 200mmF2.8 ISO12800 露出1分30秒X22 露出合計33分
 Lエンハンスフィルター マークX赤道儀



わし星雲、M46,47付近

 2025.2.27 20:56~
 α7Ⅲ改造カメラ EF70-200mmF2.8LISⅡ
 120mmF2.8 ISO12800 露出1分30秒X24 露出合計36分
 Lエンハンスフィルター マークX赤道儀
 ズームで構図を調整しました。 



モンキー星雲、くらげ星雲、M35付近

 2025.2.28 21:38~
 α7Ⅲ改造カメラ EF70-200mmF2.8LISⅡ
 200mmF2.8 ISO12800 露出1分30秒X23 露出合計34.5分
 Lエンハンスフィルター マークX赤道儀

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